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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科42巻7号

1988年07月発行

文献概要

生涯研修セミナー 子宮筋腫

保存手術と妊娠・分娩

著者: 伊藤博之1

所属機関: 1聖路加国際病院産婦人科

ページ範囲:P.664 - P.669

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 子宮筋腫に対する根治療法としては一般に子宮全摘出術が行われている。しかし妊娠分娩を強く希望する場合や若年の未婚婦人で,子宮摘出後の無月経や子宮喪失感による精神的ダメージが考えられるような場合には,保存手術として筋腫核出術(Myomectomy)が適用される。この手術の歴史は古く,1842年にAmusstaが有茎子宮筋腫を切除したことに始まる1)。近年,世界的にも子宮全摘出術の数が著増し,その適応をめぐって議論されつつあり2),改めて核出術の意義が見直されている。本手術の目的は子宮を温存することにより生殖能力を維持させ,妊娠・分娩を可能ならしめることである。したがって本手術は子宮筋腫に対する治療であると同時に不妊症や流産の治療でもあるといえる。本稿では筋腫核出術の適応と禁忌,術前術後の留意点,術式のポイント,妊娠中の核出術ならびに核出術後の妊娠・分娩の成績などにつき解説する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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