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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科42巻9号

1988年09月発行

臨床メモ

喫煙は子宮外妊娠の頻度も増加させる

著者: 貝原学1

所属機関: 1帝京大学市原病院産婦人科

ページ範囲:P.809 - P.809

文献概要

 喫煙は人体に対して種々の害をもたらすが,産婦人科領域においても喫煙による多くの弊害が報告されている。妊婦の喫煙によって胎児発育障害や周産期死亡の頻度が増加し,前置胎盤,常位胎盤早期剥離あるいは前期破水なども起こりやすいといわれている。さらに,流産や先天性奇形の原因ともなり,児の生後の肉体的ならびに精神的な発育が遅延する場合があることも報告されている。
 喫煙によって子宮外妊娠が発生しやすいという報告もある。Campbelland GrayやLevinら1)は,喫煙婦人の子宮外妊娠の発生頻度は非喫煙婦人に比較して1.5〜4.0倍も高率であると述べている。Matsunagaand Shiota2)も,子宮外妊娠が発生した婦人のなかで喫煙者の占める割合は29.2%を占めているが,筋腫合併妊娠や人工妊娠中絶をうけた妊婦(いずれも子宮内妊娠)における喫煙者の割合は9.4〜15.1%にすぎず,喫煙者の子宮外妊娠発生率は有意に高いと述べている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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