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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科42巻9号

1988年09月発行

特集 手術療法の進歩

新手技の導入

進行子宮頸癌に対する一時的血流遮断下動注療法について

著者: 山田龍作1 大門幹子1 川端衛1

所属機関: 1和歌山県立医科大学放射線医学教室

ページ範囲:P.833 - P.835

文献概要

 子宮頸癌の治療は現在,手術と放射線によって行われており,良好な治療成績が得られている。しかし,再発癌および放射線感受性のない手術不能の進行癌に対し,従来,有効な治療法はなく,化学療法が主なる治療法となっている。しかし,全身投与では抗癌剤の腫瘍局所濃度を選択的に高めることは困難で,良好な治療成績は期待できない。腫瘍局所薬剤濃度を高めるために,one shot動注療法が行われてきたが,さらに効率よく抗癌剤を投与することを目的として,我々は一時的血流遮断下抗癌剤動注化学療法(balloon occluded arterial infusion,BOAI)2,3)を開発し,行ってきた。すなわち,担癌臓器動脈の血流をballoon catheterにより一時的に遮断した上で,その末梢側動脈に抗癌剤を注入するものである。この方法では,担癌臓器の動脈血流が途絶しているため,注入した抗癌剤溶液は希釈されることなく腫瘍に到達し,局所に長時間滞留し作用することになる。
 本稿では,子宮癌に対するBOAIの方法および治療成績について報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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