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特集 Fetal behavior
中枢機能の成熟と胎児行動
著者: 上妻志郎1 岡井崇1 水野正彦1
所属機関: 1東京大学医学部産科婦人科学教室
ページ範囲:P.35 - P.38
文献購入ページに移動大脳および小脳機能は出生後に著しく発達することが知られているが,新生児は出生時から既に独立して生存するための基本的な機能を獲得しているため,胎児期においても中枢神経機能は相当な発達を遂げていることが推察される。近年,超音波新層法の発達に伴い生理的な胎児の行動を観察できるようになり,呼吸様運動をはじめとする各種運動が妊娠経過と共に変化することが知られるようになった。この変化は胎児期における中枢神経機能の発達と密接に関連するものと推察される。本稿では当教室において超音波断層法を用いて観察した胎児行動について,中枢神経機能の発達という観点から概説する。
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