文献詳細
文献概要
臨床研修セミナー 多胎
多胎と胎児・新生児異常
著者: 藤本征一郎1 花谷馨1 菅原照夫1 田中俊誠1
所属機関: 1北海道大学医学部産婦人科学教室
ページ範囲:P.70 - P.76
文献購入ページに移動最近では,超音波診断(胎児,胎盤,胎児膜,羊水量などの観察),胎児心拍数陣痛計測(NST,CST,分娩監視),子宮収縮制御,羊水サーファクタント測定などの進歩により多胎妊娠の産科管理は大きな変貌を遂げている。卵性診断は,多胎児の取り扱いにあたり,胎児間輸血症候群,奇形,多胎のうち1児の異常(死亡など),遺伝性疾患,育児指導などの観点からも必要であり,各種血液型,白血球型,血清蛋白,酵素,染色体多形性などの遺伝形質の検査が出生直後より望まれる。とくに胎児膜(1絨毛膜性か,2絨毛膜性か),胎盤血管吻合(とくに胎盤実質内の動静脈吻合)についての検索は,臨床的に最も問題となる胎児(双胎)間輸血症候群の診断・管理のためにも実施されなければならない。
掲載誌情報