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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科43巻11号

1989年11月発行

特集 胎盤

胎盤の微細構築—終末絨毛の微細構造を中心に

著者: 秋葉和敬1 水野正彦2

所属機関: 1国立霞ヶ浦病院産婦人科 2東京大学医学部産婦人科学教室

ページ範囲:P.1037 - P.1043

文献概要

 胎児発育の面からみた胎盤の役割は,母体からの栄養素を胎児へ供給する輸送系としての役割を担っており,その機能は発育の律速因子の一つとなっている。血腫絨毛型胎盤(placenta hemocho—rialis)であるヒト胎盤の基本構造は,絨毛膜板と基底脱落膜の間の絨毛間腔に存在する樹枝形態であり(図1),組織学的には母体血の充満する絨毛間腔と胎児循環最末端である胎盤絨毛毛細血管との間に,合胞体性栄養膜,ラングハンス細胞層,絨毛基底膜,絨毛結合組織,毛細血管基底膜,毛細血管内皮層の6層が介在している(図2)。したがって,子宮—胎盤血流量,接触絨毛表面積,拡散到達距離の3者に依存する母児間の物質交換能の主役を成すのは,成熟胎盤においては絨毛最末端単位である終末絨毛であると考えられている。本稿においては,終末絨毛の基本構造とその形態的特徴について,毛細血管構築との関連をまじえて概説を行う。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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