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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科43巻11号

1989年11月発行

特集 胎盤

胎盤の代謝—胎盤アミノペプチダーゼ(AP)によるペプチドホルモン代謝

著者: 水谷栄彦1

所属機関: 1名古屋大学医学部産科婦人科教室

ページ範囲:P.1045 - P.1054

文献概要

 胎盤には各種アミノペプチダーゼ(AP)が存在し,その一部は母体血中に遊出するが,それらの生理的意義は不明確であった。
 一方,胎児胎盤系にはあらゆる種類のペプチドホルモンの存在が明らかにされつつある。胎児期の急速な発育と成熟のためにはそれらホルモンは必須のものと考えられる。事実強力な子宮収縮作用から陣痛発来物質のひとつとして考えられているオキシトシンにはインスリン様作用1),生体物質として最強力な昇圧物質であるアンジオテンシンにはプロラクチン分泌刺激作用2)など,従来私どもが考えていた(母体側)作用以外に,ペプチドホルモンには胎児にとって好都合な作用が数多く見出されつつある。しかしながら,胎児の成熟や胎児へのストレス3)によって胎児が産生するホルモンが著増すれば,母体側へ作用する可能性もある(妊娠はホルモン過剰症のrisk factor)。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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