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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科43巻11号

1989年11月発行

特集 胎盤

胎盤の酵素蛋白

著者: 足高善彦1 望月眞人1

所属機関: 1神戸大学医学部産科婦人科学教室

ページ範囲:P.1055 - P.1061

文献概要

 胚盤胞(blastocyte)の外層を構成する栄養膜細胞層(trophoblastic layer)と脱落膜化した子宮内膜で妊娠初期胎盤が形成される。そして分娩により母体外に排泄,放棄されるまで胎盤は妊娠の維持と胎児発育のために,単純な化学物質から複雑な物質の合成,各種ホルモンの産生,脂質・蛋白質や炭水化物,アミノ酸などの代謝,胎児性老廃物を母体側に排出する中継の役割,等々の重要な工場の役目を果たしている。妊娠の経過につれて工場は拡張し,そこでの産物の量や質も変化する。
 哺乳動物における通常の代謝に関与する酵素の多くが胎盤で発見されており1),酵素に関する研究者にとり,胎盤における検索が正に山師の求める金鉱にも値すると言われている。特定の酵素欠損症患者に必要な酵素がヒト胎盤から抽出精製できれば,それを酵素の補充療法に利用する道が開けることにもなる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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