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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科43巻11号

1989年11月発行

臨床研修セミナー 早産

Overview

疫学

著者: 佐藤章1 遠藤力1 藤森敬也1

所属機関: 1福島県立医科大学産科婦人科学講座

ページ範囲:P.1078 - P.1083

文献概要

 早産は,未熟児,感染など我々が周産期に直面する問題を多く含んだ疾患であり,抗生物質,steroidの使用,tocolysisなど管理に関してだけでもかなりcontroversialな点が多い疾患である。切迫早産管理の面では塩酸リトドリンなど選択性の高い子宮収縮抑制剤が臨床応用されるようになり,また,regionalization,人工サーファクタントの臨床応用などにみられるような未熟児医療の進歩に伴い,以前にはintact survivalが得られなかったpreterm infantに対してかなり期待が持てるようになった。
 早産の原因は単一ではなく幾多の原因が絡み合って起こる場合が多いが,最近では,未破水にかかわらず絨毛羊膜炎が先行し産生されたプロスタグランディンによって子宮収縮が発来するというような概念が定着しつつある。今まで原因不明とされていた早産にも少なからず先行感染があったものと推測される。いずれにせよ,いくつかの原因の可能性を考慮しつつ,十分にその病態を検討,把握することが重要であろう。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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