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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科43巻12号

1989年12月発行

特集 治療最新のトピックス

内分泌・生殖

子宮内膜症の薬物療法

著者: 植村次雄1

所属機関: 1横浜市立大学医学部産婦人科学教室

ページ範囲:P.1130 - P.1131

文献概要

Ⅰ.概念
 子宮内膜症組織はエストラダイオールやプロゲステロンの受容体を有しているので,これらのホルモン産生を一時的に抑制して治療するのが薬物療法である。代表的な薬剤はダナゾール(ボンゾール)であり,本剤は下垂体を介して卵巣機能を抑制すると共に子宮内膜のプロゲステロンやアンドロゲンレセプターにも直接作用し,その結果,無月経,子宮内膜の萎縮を起こし,内膜症病変を改善するが,男性ホルモン作用を伴う。新しく開発されたゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)の合成作動薬,ブセレリン(スプレキュア)は下垂体GnRHレセプターを介して,レセプターの減少,ゴナドトロピン分泌能の減少をもたらし,低ゴナドトロピン,低エストロゲン状態をつくり,内膜症病巣に作用するが,男性ホルモン作用を伴わないのが特徴である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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