文献詳細
特集 治療最新のトピックス
内分泌・生殖
文献概要
Faulkら,Beerらが,原因不明習慣性流産(unexpla—ined habitual abortion,以下UHA)に対し,それぞれ独立に,1981年第3者のプールしたリンパ球,夫リンパ球を用いて免疫療法を行い,生児をうることに成功したと報告して以来,本邦においては余り厳しい批判もなく,多くの施設でいろいろな免疫療法が行われてきている。しかし国際学会ではかなり厳しい批判がなされており,免疫療法には未だ多くの問題点が残されていることから,一般的な臨床応用に踏みきるにはいまだ時期尚早であり,現段階では専門的に研究している施設に症例を紹介するのが良いとしているのが現状である。まず第1に,UHAのすべてが適応になるのか?UHAのうちの特定のものだけが適応となるのか?そうだとすれば,それを選びだす基準は何か?第2に,本当に免疫療法は有効なのか?無治療でも,次回妊娠で高い成功率の報告もあり,well control randomized studyによって効果を判定すべきであろう。第3に,有効であるなら,そのメカニズムは何か?第4に母・児に対して,重大な副作用はないのか?などの問題点が指摘されている。
そこで本稿において,われわれの研究成績から1-3),これらの諸問題に対してどのように考えたら良いか,ないしは考えられるか,整理を試みたい。
そこで本稿において,われわれの研究成績から1-3),これらの諸問題に対してどのように考えたら良いか,ないしは考えられるか,整理を試みたい。
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