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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科43巻12号

1989年12月発行

文献概要

特集 治療最新のトピックス 周産期

糖尿病合併妊娠のインスリン療法

著者: 哲翁正博1 浜田悌二1

所属機関: 1久留米大学医学部産科婦人科教室

ページ範囲:P.1156 - P.1158

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Ⅰ.概念
 内因性インスリンの分泌動態は24時間を通じて平均的に分泌される基礎分泌と,食後の血糖上昇に応じて分泌される追加分泌よりなっている。強化インスリン療法(intensified conventional insulin therapy ICIT)は,健常者の生理的インスリンパターンを模倣してインスリンを補充し,相当する効果を期待するもので,基礎分泌の補充を速効型インスリンの持続注入か持続型インスリン注射で,追加分泌の補充は速効型インスリン製剤を用い,投与法の違いによって頻回注射(multiple injection of insulin,MII)と持続皮下インスリン注入療法(con—tinuous subcutaneous insulin infusion,CSII)に分けられる。糖尿病合併妊娠では,妊娠中の血糖レベルを正常妊婦のレベルに下げ出来るだけ維持することが母児予後を改善するうえに重要であることは周知の事実で,IDDM妊婦のみならずNIDDM妊婦,さらにはGDM妊婦も強化インスリン療法の適応となる場合がある。実施に当たり,注射手技,自己血糖測定法(SMBG),低血糖への対処,食事,運動のとり方など患者教育訓練,在宅患者と医療施設との緊密な連携が肝要である。低血糖のリスクを抑え,血糖値の可及的正常化には代謝調節の適切な評価が求められ,血糖の自己測定値,HbAl,HbAlcフルクトサミン値を参考とするが,コントロールの目標は妊婦の場合,空腹時血糖値100mg/dl以下,食後値130mg/dl以下,HbAl値9%以下,HaAlc値6%以下におく。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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