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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科43巻12号

1989年12月発行

特集 治療最新のトピックス

周産期

ITP合併妊娠の薬物療法

著者: 坂田寿衛1 正岡直樹1 高木繁夫1 佐藤和雄1

所属機関: 1日本大学医学部産科婦人科学教室

ページ範囲:P.1162 - P.1164

文献概要

Ⅰ.概念
 ITP (ldiopathic thrombocytopenic purpura)は血小板減少を惹起する原疾患(再生不良性貧血,白血病,放射線障害,薬物,化学物質など)を認めることなく,成因不明の血小板滅少をきたす疾患とされてきたが,その後,患者血中に血小板に結合している抗体PAIgG,また血清中に血小板と反応するfreeの抗体PBIgGが証明されて以来,自己免疫機能による脾・網内系での血小板の捕捉,処理の増大が本症の病態として注目されている。
 ITPの診断は表1に示したが,紫斑(点状,斑状皮下出血),粘膜出血(鼻,歯銀出血,血尿,過多月経)などの出血傾向を主訴とし,検査上,出血時間延長,毛細血管脆弱性亢進,血餅退縮不良が認められる。失血のある場合を除き貧血はなく,また脾腫は通常触知されない。骨髄は低形成を示さず,骨髄巨核球は正常ないし増加している。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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