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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科43巻12号

1989年12月発行

特集 治療最新のトピックス

周産期

腎疾患合併妊娠の薬物療法

著者: 佐中孜1

所属機関: 1東京女子医科大学第4内科

ページ範囲:P.1165 - P.1167

文献概要

Ⅰ.概念
 妊婦に合併する腎疾患には,主として妊娠中毒性腎症,腎炎,ネフローゼ症候群,尿路感染症などがある。これらは妊娠中毒症のように妊娠そのものに続発するものもあるが,多くは基礎疾患としての腎症が妊娠を契機に潜在的なものから顕在化したり,悪化したものといえる。また最近では,透析患者や腎移植患者が妊婦となることも少なくなく,これらの患者では,1)腎での排泄障害,2)肝,腎における代謝異常,3)血液脳関門での通過異常,4)標的臓器,組織での感受性の亢進あるいは低下,5)遊離型薬剤の増加などのために本来の薬理作用以外の中毒作用が現われやすい。
 したがって,実際の薬剤使用にあたっては,薬剤の胎児への影響,腎機能障害時における薬剤の体内動態,薬力学などを知ったうえで薬剤を選択するとともに,投与用量,間隔などを変更,決定しなくてはいけない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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