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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科43巻12号

1989年12月発行

文献概要

特集 治療最新のトピックス 感染

AIDS対策の現状と将来

著者: 相良祐輔1 久保隆彦1

所属機関: 1高知医科大学産科婦人科学教室

ページ範囲:P.1204 - P.1208

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1.AIDSの現状
 AIDSは1981年の最初の患者の報告以来,アメリカ・アフリカ・ヨーロッパを中心に激増の一途をたどり,WHOの発表では1989年5月31日現在で149カ国157,191人となった。しかし,報告が正確に実施されていない地域も多く,すでにAIDS患者数は25万人を越え,今後5年間に新たに100万人以上の発症が予測されている。また,発症の認められていないHIV感染者数も500〜1,000万人と推測され,確実にHIVウイルスは全世界に蔓延していると言える。
 我国も,先進国の中では少ないとはいえ例外ではない。表1に1989年6月30日現在のリスク因子別のAIDS患者数とHIV感染者数を示した。本年2月17日から施行されたエイズ予防法により,凝固因子製剤が原因と推定される患者・感染者の報告義務は不要となったので,現実の患者・感染者数は報告された数字に凝固因子製剤が原因となる人数(α)を加えなければならない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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