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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科43巻12号

1989年12月発行

文献概要

特集 治療最新のトピックス 感染

婦人科手術後の感染予防対策

著者: 田部井徹1

所属機関: 1赤心堂病院産婦人科

ページ範囲:P.1222 - P.1223

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 手術後に発生する感染を予防することは,術後患者を管理する上に極めて重要である。術後感染は,宿主である患者体内の抵抗力が低下し,逆に感染部あるいは創部における細菌の病原性が増加して,両者のバランスが失われると発生する。したがって,術後感染を予防したり治療したりする際の対策は,輸血輸液などにより全身の栄養状態を改善し,免疫賦活剤,抗炎酵素剤などを投与して病原菌に対する患者の抵抗性を上昇させるか,局所の消毒滅菌を行い抗生物質などの抗菌剤を投与する。
 近年,数多くの新しい抗生物質が開発され,術後感染の予防あるいは治療に使用されているが,抗生物質の有効性や適切な投与方法に関する検討はあまり行われていない。抗生物質の投与が,術後感染の発生を予防する効果を示すことは明白であるが,抗生物質の乱用をいましめる立場から予防的投与に否定的な意見もある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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