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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科43巻2号

1989年02月発行

臨床研修セミナー 流産

習慣性流産の診断

子宮形態学的診断

著者: 野口昌良1

所属機関: 1愛知医科大学産婦人科学教室

ページ範囲:P.173 - P.175

文献概要

 受胎が成立しても妊娠の経過を全うすることなく流産を繰り返す習慣性流産については,これまでに幾多の検索がなされ,いくつかの原因はすでに解明されている。しかしながら,依然として原因不明のまま繰り返される流産も少なくない。例えば,内分泌異常というべき黄体機能不全についても習慣性流産の原因としての議論はあるものの,いまなお診断基準すら明らかではない。またSLEなどで知られる自己免疫疾患においても流産率が高いとはいわれながら,はっきりした裏付けはされていない。
 その反面,夫婦間の染色体検査により転座染色体を認め,習慣性流産の原因としてつきとめられるケースも少数例とはいえ存在する。さらにHLA-D/DR抗原系の類似性が高いときにHLA-D/DR抗体を母体がつくり得ず,妊娠維持のできないまま繰り返し流産をすることは,きわめて最近確認された習慣性流産の原因である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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