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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科43巻2号

1989年02月発行

文献概要

原著

肥満妊婦の妊娠・分娩について

著者: 有澤正義1 木戸口公一1 和田芳直1 藤田富雄1 今井史郎1 末原則幸1 林昭1 竹村喬1

所属機関: 1大阪府立母子保健総合医療センター

ページ範囲:P.189 - P.192

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 妊娠前に肥満があれば妊娠・分娩合併症を伴い易く,妊娠中の体重コントロールがその治療法であると報告されている。しかし,妊娠中に体重をコントロールしてもそれらの合併症を防ぎきれないものもあるので妊娠中の体重増加と合併症について検討した。妊娠前の身長,体重がわかっているもの6,424例のうち,Broca指数が120%以上のものは315例(4.9%)認められた。これらについて,妊娠前のBroca指数が120%以上のものは平均年齢が高く,平均身長が低く,平均体重も重く,経産婦の割合も高いことが認められた。また,妊娠・分娩合併症の割合も新生児体重が1.5SD以上(以下HFDと略す)のものの割合もいずれもBroca指数が120%以上のものに有意に高かった。さらに妊娠中の体重増加を5kg以下におさえたからといってもHFDの発症を防ぐことはできなかった。よって,妊娠・分娩合併症にとっては妊娠中の体重のコントロールより妊娠前の肥満度の方がより重要であると考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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