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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科43巻2号

1989年02月発行

原著

悪性上皮性卵巣腫瘍に対する化学療法(CAPF)の免疫能に及ぼす影響について

著者: 高見沢実1 奈良俊作1 林和人1 依光毅1 方世錝1 小関みづほ1 松田隆夫1 三ツ矢和弘1 榎本英夫1 高橋一久1 林雅敏1 大蔵健義1 矢追良正1

所属機関: 1獨協医科大学越谷病院産科婦人科学教室

ページ範囲:P.197 - P.201

文献概要

 悪性上皮性卵巣腫瘍の後療法としては,現在cisplatinを中心とする多剤併用療法が主流である。このような寛解導入化学療法により治療成績も向上した反面,骨髄抑制による白血球の減少,これに伴う発熱といった副作用の発生は避けて通れない問題である。今回,化学療法の主流であるCAPF療法の宿主に対する免疫能の影響について,リンパ球サブセット,PHA幼若化反応,NK細胞活性,ならびに免疫グロブリンの変動より検討した。結果は従来より指摘されているように抑制的に作用した。しかしCD3,CD4陽性細胞で増加傾向が認められ,CD8陽性細胞で殆ど変動が認められなかったことより,CD4/CD8比が一過性に増加するというCD3+,4+,8−を誘導する作用が認められた。このことはCAPF療法が全ての免疫能に対して抑制的に作用するのではなく,免疫応答よりみた場合,促進的に作用しうる可能性があることを示唆するものといえる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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