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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科43巻4号

1989年04月発行

特集 婦人科癌治療の新しい試み

癌免疫療法—adaptive immunotherapyを中心にして

著者: 本田修司1 八幡剛喜1 藤田和之1 吉谷徳夫1 田中憲一1 竹内正七1

所属機関: 1新潟大学医学部産科婦人科学教室

ページ範囲:P.325 - P.331

文献概要

 癌に対する治療は従来,手術療法,放射線療法,化学療法,ホルモン療法が主体であり,免疫療法は補助的な域をでなかった。免疫療法の原理は,癌細胞をnot-selfと生体が認識し排除することを基本とし,過去より特異的,非特異的,受動あるいは能動的免疫療法等各種の治療法が試みられた(表1)。最近,各種癌抗原に対するモノクローナル抗体の開発,培養技術の向上,遺伝子工学の進歩によるサイトカイン,リンフォカインの大量製造,あるいはヒトメラノーマ細胞における腫瘍抗原の同定等により,抗原認識のメカニズムまたは腫瘍細胞を実際に障害するエフェクター細胞の研究がすすみ,有効な癌免疫療法の可能性が示されつつある。本稿では,癌治療の免疫学的背景および最近脚光をあびている養子免疫療法の概要を述べ,我々のおこなっているTIL (腫瘍内浸潤リンパ球)を用いた免疫療法の一部を紹介したい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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