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更年期以後の婦人に長期間estrogen療法を行う際にはprogestogenの附加的投与を/頻回の帝王切開術と合併症—何回まで帝切は可能か
著者: 広井正彦1
所属機関: 1山形大学医学部産婦人科
ページ範囲:P.420 - P.420
文献購入ページに移動 更年期障害や更年期以後の婦人の老化防止などの治療としてconjuga-ted estrogenなどの長期間投与が有効であることが知られている。しかし,estrogenの量や投与期間が増加するにつれて子宮内膜の癌の発生率が増加することが指摘され注目されるようになった。WHOの報告によると,estrogen療法を5年間以上用いた婦人では用いなかった婦人に比して6〜8倍もこの危険が増大するという1)。このような指摘にも拘らず,estrogenによる子宮内膜癌罹患患者は適切な処置によりむしろ健康婦人よりも長生きするとChuら2)はのべている。この一見した矛盾の原因は完全にはわかっていないが,estrogen投与による子宮内膜癌患者はその後の医療監視が充分行われたことにより死亡率が減少するものと思われる。
一方,estrogen療法にprogestogenを附加的に投与すると,子宮内膜の分裂活動を抑制するために,adeno—matous hyperplasiaからadenocar—cinomaへの発生を予防出来ることが明らかになって来た3,4)。
一方,estrogen療法にprogestogenを附加的に投与すると,子宮内膜の分裂活動を抑制するために,adeno—matous hyperplasiaからadenocar—cinomaへの発生を予防出来ることが明らかになって来た3,4)。
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