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臨床研修セミナー 外陰疾患—外陰ジストロフィーを中心に
皮膚科からみた外陰ジストロフィー
著者: 池田重雄1
所属機関: 1埼玉医科大学皮膚科教室
ページ範囲:P.464 - P.470
文献購入ページに移動 外陰の前癌病変とは,組織学的には良性病変と異なり,癌ではないが癌に類似した異型(atypia)を示す細胞が表われ,異形成(dys—plasia)が基底層の一部あるいは棘細胞層にかけてみられる上皮性変化を意味する。またこれら所見は臨床的には白色角化性病変(広義白板症)としてみられることが多い。このような広義白板症は,かつてはleukoplakia,leukoplakic vulvitis,lichen sclerosus kraurosis,primary atrophy,sclerotic dermatosis,various types of atrophic and hypertrophic vulvitisなどと種々の名前で呼ばれ,またそれらが前癌病変ないし上皮内癌であるとする一般臨床の固定概念があったため,多くの例でvulvectomyなどを受けてきたようである。しかしながらそれらを組織学的に検討してみると,全くの良性病変から,軽度ないし中等度の異形成が認められるもの,さらには上皮内癌と判定されるものまでの,かなり幅広い病変が含まれていることが分かって来た。
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