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羊水量の異常とその臨床的とり扱い
著者: 原量宏1
所属機関: 1香川医科大学母子科学教室
ページ範囲:P.507 - P.522
文献購入ページに移動 周産期管理法の急速な進歩により,わが国の周産期死亡率は大幅に減少し,いまや世界で最も周産期医療の充実した国とみなされるようになった1)。最近の妊婦管理法の特徴として,従来より行われてきた妊婦検診に比較し,より胎児の管理に比重が移っている点があげられる。分娩監視装置および超音波診断装置の飛躍的な性能向上により,胎児に関する直接的な情報が得やすくなったからである。胎児のwell beingに関して最も信頼性があり,しかも利用しやすいパラメータは胎児心拍数であるが,最近はこの他に,Manningらのいわゆるfetalbiophysical profileとして,胎動や胎児呼吸運動などとともに,羊水量の重要性が注目されている2)〜14)。Bio-physical profileの判定には,NST,胎動,胎児呼吸運動,胎児の筋緊張(fetal tone),さらに羊水量が利用されるが,それら個々のパラメータの意味するところは同一ではない。前四者は主として胎児の中枢神経の機能を反映するのに対し,羊水量は胎児の尿量,すなわち胎児の循環系および腎尿路系の機能を反映すると考えられる。
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