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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科43巻6号

1989年06月発行

臨床研修セミナー 子宮外妊娠

卵管妊娠における卵管保存療法

著者: 藤本征一郎1 田中俊誠1 岩崎寛治2

所属機関: 1北海道大学医学部産婦人科学教室 2聖母会天使病院産婦人科

ページ範囲:P.575 - P.586

文献概要

 卵管妊娠に対する治療法は,1)患者の希望,2)着床の部位,3)医師の診断・治療技術,4)体外受精・胚移植法(IVF・ET)による妊娠の可能性の有無,等を考慮して決定される。1888年にイギリスのTait1)が卵管妊娠に対する卵管摘除例を最初に報告して以来,卵管妊娠に対しては主に着床部位の除去もしくは摘除,すなわち卵管切(摘)除術(場合によっては卵巣卵管摘除術)が根治療法として行われてきた。しかし,それらの手術は一側卵管が既に除摘されていて挙児を希望する卵管妊娠婦人,および健常卵管を他側に有している挙児希望の卵管妊娠婦人に,それぞれ永久不妊,術後の癒着などによる妊孕能の低下をもたらす。
 野口ら2)は卵管妊娠に対する根治手術後に高率(30%)に続発不妊となることを報告している。このため,挙児希望の卵管妊娠婦人に対しては種々の卵管保存療法が試みられている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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