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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科43巻6号

1989年06月発行

文献概要

手技

透明全身骨格標本作製法および合成樹脂包埋法の応用

著者: 竜孝雄1 間藤方雄1

所属機関: 1自治医科大学解剖学教室

ページ範囲:P.599 - P.603

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 胎児骨格(Fetal Skeleton)の研究に関しては,古くから種々の技法で報告されている。しかし,透明全身骨格標本の作製法及びその臨床面の応用についての研究報告は多くはない。本文は胎児の全身骨格の立体構造を簡単に観察できる一改良方法について説明する。
 研究材料は3カ月と6カ月の胎児個体(死体)を使用した。まず,胎児個体を蒸留水で清浄してから4℃のアルコール液に2〜3日固定する。通常,固定液の液量は胎児個体の大きさの12倍にする。次に,室温で胎児を2% KOH液の中に5〜10日間(または2〜3週間)浸して透明化させる。そして,個体を0.01% Alizarin Red Sの2% KOH液に1日浸し,全身骨格を染色する。最後に,2% KOH液で程よく脱色する。この結果,全身の骨化部は鮮明に青紫色ないし紫色に染め出され,軟骨部とその他の軟組織全体が透明になる。染色後の透明全身骨格標本をグリセリン・アルコール液,または純グリセリン液の中に浸漬し,保存する。また,教育研究のために標本を合成樹脂で包埋して永久保存することもできる。本法は簡単で経済的かつ有用であると思われる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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