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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科43巻7号

1989年07月発行

薬の臨床

酒石酸ブトルファノール硬膜外腔注入法による術後鎮痛効果の検討

著者: 藤下晃1 熊谷淳二2 山邊徹1

所属機関: 1長崎大学医学部産婦人科学教室 2国立大分病院産婦人科

ページ範囲:P.703 - P.708

文献概要

 婦人科開腹手術後の患者50例を対象に,硬膜外腔に酒石酸ブトルファノール1.0mg (10例),1.5mg (10例),2.0 mg (10例)を投与し,ペンタゾシン15 mgの硬膜外投与(10例)およびペンタゾシン15mg筋注(10例)と鎮痛効果や副作用について比較した。鎮痛効果発現時間は,酒石酸ブトルファノール1.0mg群,1.5mg群および2.0 mg群でそれぞれ平均14分,12分および13分であり,ペンタゾシン硬膜外投与群および筋注群でそれぞれ平均19分および17分であった。鎮痛効果持続時間は,酒石酸ブトルファノール各群において,それぞれ平均413分,470分および407分であり,ペンタゾシン群ではそれぞれ218分および159分であった。
 また,両群ともに重篤な副作用は認められなかったが,酒石酸ブトルファノール2.0mg投与の2例に軽度の循環系,呼吸系の抑制がみられた。
 以上の結果より,酒石酸プトルファノールの硬膜外投与はペンタゾシン投与と比較して術後鎮痛法として臨床上有用であると思われた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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