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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科43巻8号

1989年08月発行

特集 子宮内膜症—最近の話題

子宮内膜症と卵管采卵捕獲抑制因子

著者: 杉並洋1

所属機関: 1愛媛大学医学部産科婦人科学教室

ページ範囲:P.755 - P.761

文献概要

 子宮内膜症は生殖年齢婦人に発生するエストロゲン依存性の疾患である。子宮内膜症は月経周期におけるエストロゲンの消長に伴って種々の随伴症状を来すのみならず不妊症の一因ともなっている。子宮内膜症の頻度は生殖年齢婦人の約1/15,不妊婦人の1/3〜1/2といわれている。したがって,われわれ不妊症を取り扱う産婦人科医にとって子宮内膜症は非常に重要な疾患の1つである。
 子宮内膜症における妊孕能抑制機序に関して数多くの仮説が提唱されている(表1)。それらは女性生殖現象のあらゆるstepにおける異常を全て網羅しいてる。ただ,これらの仮説はどれか1つが正しくて残りが間違っているというわけではない。たとえばプロスタグランディンは卵管の運動性に変化を与えるのみならず,黄体機能不全や黄体化非破裂卵胞luteinized unruptured follicle(LUF)の原因ともなっていると考えられている。このようにある1つの現象が他の現象を引き起こしたり,あるいは2つ以上の現象が複合して妊孕能を抑制している場合もあり得る。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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