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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科43巻8号

1989年08月発行

原著

Krukenberg腫瘍はステロイド産生腫瘍か?

著者: 北山俊也1 仲野良介1

所属機関: 1和歌山県立医科大学産科婦人科学講座

ページ範囲:P.801 - P.805

文献概要

 消化管を原発巣とする転移性卵巣癌であるKrukenberg腫瘍の患者8例において,内分泌学的臨床所見の有無,ならびに患者血中のestradiol (E2),progesterone (P4),testosterone (T)の濃度を測定し,Krukenberg腫瘍におけるステロイド産生能につき検討し,以下の結果を得た。
1) Krukenberg腫瘍患者8例中7例になんらかの内分泌学的な臨床症状の合併が認められた。
2) Krukenberg腫瘍患者8例の術前,術後の末梢静脈血中のE2,P4,T濃度の測定結果は,今回検討したすべてのKrukenberg腫瘍がステロイド産生能を有していることを示唆した。
3)今回検討したKrukenberg腫瘍8例の術前の末梢静脈血中のT濃度は,いずれも正常値以上を示し,この腫瘍におけるTの腫瘍マーカーとしての有用性が示唆された。
4)免疫組織学的手技(PAP法)にてE2,Tの局在が腫瘍細胞に認められた。
以上の結果からKrukenberg腫瘍もホルモン産生腫瘍の一つであると考えられる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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