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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科44巻1号

1990年01月発行

臨床研修セミナー 胎児仮死

IUGRと胎児仮死

著者: 荒木勤1 岩崎卓爾1 進純郎1

所属機関: 1日本医科大学産婦人科学教室

ページ範囲:P.84 - P.90

文献概要

 IUGR(intrauterine growth retardation,子宮内胎児発育遅延)は,1961年Warkanyら1)によってはじめて提唱された概念である。現在,日産婦学会用語委員会では「何らかの原因で子宮内の胎児の発育が遅延,あるいは停止するため,妊娠期間に相当しない児の発育状態が見られる場合」と定義されている。具体的には胎児発育曲線上の下限(Lubchencoの曲線では10パーセンタイル,船川や仁志田の曲線では−1.5SD)以下の児体重を示すものをいう。このようなIUGRの胎児では常に胎児予備能が低下している。また胎盤の絨毛間の血液流量も減少し,母児間の酸素運搬能や栄養素の母体よりの移行は慢性的に障害された状態におかれている。したがってIUGRでは妊娠中および分娩中に胎児仮死となる率は高い。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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