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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科44巻11号

1990年11月発行

特集 卵巣腫瘍の組織発生

Topics

卵巣上皮性腫瘍の組織発生について—中腎説の立場から

著者: 佐藤正仁1

所属機関: 1埼玉医科大学産婦人科学教室

ページ範囲:P.969 - P.977

文献概要

 既に筆者は性腺の上皮性成分は基本的には中腎由来であり,それに基づいて卵巣上皮性腫瘍の組織発生は中腎系組織であることを報告した(Satoh,1982;1985a;1989)。中腎系組織には,卵胞細胞・卵胞細索細胞・原始性索細胞・索状構造細胞・中腎糸球体・中腎細管・中腎管・中腎管から発生する後腎・尿管・膀胱の一部があり,中腎系組織の上皮には,漿液性上皮や粘液性上皮,淡明な細胞質を持つ上皮が存在することを報告した。さらに卵巣明細胞腫瘍(clear cell tumor)や卵巣parvilocular tumor,卵巣ブレンナー腫瘍,Scullyによる“germ cell sex cord tumor,unclassified”に分類されている腫瘍の一部には中腎器官を組織発生とするものが存在することを報告した(Satoh,1984,1985b,1987)。そこで今回はヒト性腺の発生および卵巣腫瘍の組織発生学的分類“中腎説”について著者の知見を述べ,これに基づいて卵巣上皮性腫瘍の組織発生学的分類について考察したので報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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