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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科44巻12号

1990年12月発行

文献概要

特集 最新治療薬ガイド1990 Ⅳ.周産期用薬剤

11.B型肝炎の垂直感染防止薬剤

著者: 矢野右人1 八橋弘1

所属機関: 1国立長崎中央病院臨床研究部

ページ範囲:P.1110 - P.1111

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□HBIG,HBワクチン
1.対象と処方例
 昭和61年1月1日より出生する児に対し国家事業としてHBV母子感染予防が公費で行われている。対象はHBe抗原陽性の母親より出生した児とし,妊婦検診時に受診表を受理し,HBs抗原検査を他の妊婦検診項目とともに受ける。この際,妊婦手帳にHBs抗原の欄が設けられる。HBs抗原陽性妊婦は,保健指導でHBe抗原の検査を受け,HBe抗原陽性者は,保健所へ予防票を申請する。分娩予防票を提出し,出生時にHBIG(200単位以上)1mlを筋肉内に投与する。以降,出生後2カ月目に第2回目のHBIGを同量筋注し,同時に第1回目のHBワクチンを0.25ml投与する。さらに生後3カ月目と5カ月目に同量のHBワクチンを接種して予防法を完了する。HBワクチンは,ヒト血液よりHBs抗原を精製しアジュバントを加え沈降ワクチンとした血液由来ワクチン(PHBワクチン)と,遺伝子組換え技術によるHBs抗原部分を酵母菌で増殖させ精製後アジュバントを加えワクチンとした酵母由来組換えHBワクチン(YHBワクチン)が現在市販されている。YHBワクチンは,PHBワクチンの半量で同等の効果が得られるため,HBワクチンの1回量である0.25mlに含有されるHBs抗原量は,PHBワクチンは10μg,YHBワクチンは5μgに調整されている。PHBワクチンは皮下接種に限られていたが,YHBワクチンは皮下または筋肉内投与が可能である。皮下接種と比べ筋肉内接種がはるかに良好な抗体価が得られるため,筋肉内接種が推奨される。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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