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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科44巻12号

1990年12月発行

特集 最新治療薬ガイド1990

Ⅴ.内分泌・生殖領域の治療剤

14.多毛治療薬

著者: 仲野良介1

所属機関: 1和歌山県立医科大学産科婦人科

ページ範囲:P.1147 - P.1149

文献概要

 多毛(症)はhypertrichosis,あるいはhirsutismの訳語として用いられている。多毛は体毛の量的過剰を示す状態であるが,その本態は毛包の増生ではなく,軟毛の肥大あるいは硬毛化による。hypertrichosisはホルモンの影響を受けない多毛を,hirsutismはアンドロゲン作用により生じた女性や小児にみられる多毛を意味することが多い。しかし,両者の区別は不明瞭な点もあり,後者は前者の一部として包含されるとする見解もある。また,hypertrichosisは人種的,遺伝的,体質的な多毛を指し,hirsutismは病的状態における多毛を指すとする意見もある。
 女子にみられる多毛はfemale hirsutismと記されることが多く,その患者はhirsute femaleと呼ばれる。(人種的にみて,日本人女子では白人女子に比べて発毛が薄く,多毛を呈する例は稀であるといわれている。たとえば,多嚢胞卵巣症候群でも日本人女子では多毛を示す症例は少ないとされている。)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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