文献詳細
原著
子宮頸癌放射線治療と二次発癌
著者: 中塚幹也12 児玉順一1 野田清史1 河相淳一郎1 重田優1 椎野萬里子1 土光文夫1
所属機関: 1広島市民病院産婦人科 2現,岡山大学産婦人科学教室
ページ範囲:P.181 - P.185
文献概要
症例1は1954年,子宮頸癌手術後に放射線治療を施行した。以後,殿部,下腹部に放射線性皮膚炎が出現していたが,1986年に外陰部基底細胞癌が,1988年には腟壁悪性線維性組織球腫が発生し死亡した。症例2は1945年に原爆被爆,1982年,子宮頸癌Ⅲ b期の診断で放射線療法を施行した。1988年,子宮体部中胚葉性混合腫瘍が発生し死亡した。
酒井らの2回にわたる二次発癌に関する全国アンケート調査では,原発癌は子宮癌が最多,二次癌は軟部組織肉腫が最多である。
子宮頸癌は放射線療法が頻繁に行わ�治癒率,生存率も高く,長期の定期検診がなされているため疫学的調査が施行しやすい.また化学療法誘発の二次癌の調査,研究,さらに予防も今後の重大な諜題になるであろう.
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