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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科44巻3号

1990年03月発行

原著

Breus' moleの頻度と病理的特徴について

著者: 有澤正義1 若浜陽子1 中山雅弘1

所属機関: 1大阪府立母子保健総合医療センター,病理

ページ範囲:P.267 - P.269

文献概要

 絨毛膜下あるいは絨毛膜間内血腫については小さなものも含めると正期産の20%に認められると報告されている。しかし,胎盤の胎児面でも明らかな血腫と認められるような大量絨毛膜下血腫は稀であり,Breus' moleと呼ばれている。診断基準は血腫の大きさが1cm以上でしかも絨毛膜と絨毛の間の血腫のために胎盤が非常に厚くなっているものとした。当センター病理で検索した11,703例の胎盤に12例のBreus' moleが認められた。胎盤の大きさは長径,短径は正常範囲と考えられるが厚さが1.5〜5.0cmであり,厚いものが多かった。常位胎盤早期剥離や辺縁出血などは21例中9例に認められた。また,鑑別すべきものとしては巨大なフィブリン沈着や血管腫があるが,それぞれの特徴的な割面や組織所見により鑑別は可能であった。臨床的特徴は,12例中8例が子宮内胎児死亡で子宮内胎児発育遅延も高率に合併していた。今回の報告は厳密な定義にもとづくBreus' moleについての頻度,特徴および鑑別について本邦で初めての報告である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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