文献詳細
特集 救急手技のポイント
Ⅱ.産科・婦人科
文献概要
羊水栓塞症(Amniotic fluid embolism)は1926年Me—yer1)によって初めて報告されたもので,突発的に発症し,ショック,呼吸障害など急激な経過をたどり,稀ではあるが,母体を最も危険にさらす疾患である。本症は羊水成分が母体血中に流入することによって生じるもので,発生頻度は20,000〜30,000分娩に1回といわれている。母年齢32歳以上,経産婦に多く,多くは分娩中に発症している。従来の報告では,母体の死亡率はきわめて高く80%以上であり2),その1/4は発症後1時間以内の死亡であり3),妊産婦死亡の4〜20%を占めるともいわれている。
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