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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科44巻5号

1990年05月発行

文献概要

臨床研修セミナー 手術手技 I.子宮単純全摘出術

腟式単純子宮全摘出術

著者: 工藤隆一1 山内修1

所属機関: 1札幌医科大学産婦人科学講座

ページ範囲:P.440 - P.446

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 腟式子宮全摘出術はPorges1)の綜説によると1813年Langenbeckが最初に実施している。その後19世紀の後半に多くの実施症例が報告され,1934年にHeaney2)は565例の多数の実施症例を報告している。このように腟式全摘出術の歴史は古いが,一般に本術式は子宮脱のような限定された症例にしか実施してない施設が多い。しかし腟式手術は女性性器が小骨盤内にあることから産婦人科医にとって有利な手術ルートで可能な症例には実施すべき術式と考えられる。
 腟式子宮全摘出術の利点は腹部切開創がないため腹壁瘢痕が欠如する。術後の腸管癒着,腹膜炎あるいはileusは腹式手術より少ない。肥満した婦人にも容易に実施することができる。術後の腹部の術創痛が無いため痛みが軽度で治癒が早いために入院期間が短いことなどがあげられる。腟式子宮全摘出術の術式には若干の改変によって種々の方法が行われているが,本稿ではわれわれが行っている子宮頸部周囲靱帯の無結紮法3〜6)を中心に述べる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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