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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科44巻7号

1990年07月発行

文献概要

臨床研修セミナー 手術手技 III.卵巣・卵管手術

卵巣悪性腫瘍の手術

著者: 半藤保1 塩田敦子1 藤田和之1 佐々木敏江1 広川雅晴1 山崎俊彦1 黒瀬高明1 大野正文1

所属機関: 1香川医科大学母子科産科婦人科学

ページ範囲:P.576 - P.585

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 悪性卵巣腫瘍の手術は,診断,Staging,治療を兼ねるものである。開腹時の入念な病変の拡がりの観察所見と,術中迅速病理組織診断とから適切な術式を選択しなければならない。そのために卵巣がんの全治療体系を理解した上での術者の総合的な判断力と,経験に裏打ちされた正確な知識が求められる。手術はいわゆる婦人科手術のワクを越えることがあり,診断面,治療面の双方で他科との密接な協力関係を要することが少なくない。
 治療のカナメは手術であり,腫瘍を完全に除去することが大切である。腫瘍をとり切れない時は,個々の腫瘍径で0.5〜1.0cm以下にできるだけ小さくして,術後の抗癌化学療法,あるいは限局例には放射線療法に期待するのがよい。従来わが国ではほとんど行われていなかったリンパ節郭清術により,骨盤リンパ節,傍大動脈リンパ節ともに少なからず転移が発見されることがわかった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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