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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科44巻7号

1990年07月発行

原著

CO2レーザーによる腟横中隔の治療経験

著者: 千葉英俊1 遠藤敦1 鹿野和男1 堀口正之1 佐藤信二1 矢嶋聰1

所属機関: 1東北大学医学部産婦人科教室

ページ範囲:P.606 - P.610

文献概要

 腟横中隔と診断された症例を経験し,これにCO2レーザーを用いて治療を試み,完治した症例を報告する。腟中隔のレーザー焼灼後に創面の被覆を行い,術後約2ヵ月後に腟狭窄や再癒合もなく,正常と変わりのない伸展性を有する腟腔を確認できた。腟横隔膜や腟閉鎖は,経腟的に閉塞部位より子宮側の病態を把握することが不可能であるため開復手術を併用することが望ましいが,腟中隔の場合,小孔を通して容易に隔壁の子宮側を知ることが出来,経腟手術で済ますことが可能である。レーザーによる腟式手術の長所として,①狭い腟腔での手術が容易であること,②切開や切除範囲力調節しやすいこと,③止血も同時に出来ること,などであり,短所として,①レーザー焼灼の際,炭化組織が邪魔になること,②排煙が必要なこと,などである。腟中隔の症例に対して,経腟手術を行うのにレーザー治療は有用と思われた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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