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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科44巻8号

1990年08月発行

文献概要

原著

卵巣間質細胞由来良性腫瘍の臨床的検討—悪性腫瘍診断の誤判別を中心に

著者: 柿木成子1 滝沢憲1 村井加奈子1 井口登美子1 武田佳彦1

所属機関: 1東京女子医科大学産婦人科

ページ範囲:P.695 - P.702

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 卵巣の間質細胞山来腫瘍(線維腫,莢膜細胞腫)について臨床的に検討し,悪性腫瘍との鑑別点を考察した。対象は線維腫21例,莢膜細胞腫6例であった。全充実性卵巣腫瘍に占める割合は22.4%で,良性充実性卵巣腫瘍に対しても77.1%と大部分を占めた。
 線維腫では特異的症状に乏しいが,莢膜細胞腫では高エストロゲンに伴う症状に注意すれば診断はかなり絞られ,子宮内膜癌の合併に注意する必要のあることが示唆された。
 術前に悪性らしいと診断する要素は①閉経後の高齢者,②巨大な骨盤内腫瘍,③超音波and/or骨盤CTでmixed pattern,④血清CA−125の100 U/ml以上の高値,⑤Mcigs症候群の合併,⑥子宮内膜の悪性所見の6項日で②,③,④,⑤の4項目はとりわけ悪性卵巣腫瘍と考えられやすい要因と思われた。CA−125と画像診断との有機的な組み合わせによる診断効率向上の必要性が示唆された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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