薬の臨床
尿中微量LHおよびhCG半定量試薬の臨床への応用
著者:
広井正彦1
川越慎之助1
斉藤英和1
大沼知子1
所属機関:
1山形大学医学部産科婦人科学教室
ページ範囲:P.713 - P.717
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不妊症患者の治療に際し,患者のホルモン動態の把握は必須であり,今日まで種々の測定法が開発されて臨床への応用がなされてきている。測定感度の優れたRIA法や特異性の高いIRMA法は広く利用されているが,特殊な設備が必要であるためにどの医療機関でも容易に迅速にデータを得ることが出来ない欠点があった。そこで最近では,尿中LH測定のためのSPIA法(ゾル粒子免疫測定法)や簡易EIA法が迅速性に優れているために注目されて来たが,定量的な測定値が得られない欠点がある。また,不妊症の治療の際には各種のホルモン製剤の投与を伴う場合が多いことから,交差反応性の少ない測定系であることも強く要求されるようになった。
我々は今回特異性の高いモノクローナル抗体と高比重ラテックスを用いたラテックス凝集法による尿中微量LHの半定量試薬「ハイツインクロンLH‘栄研’」と同微量hCG半定量試薬「ハイツインクロンhCG‘栄研’」を排卵期及び妊娠初期に応用したので報告する。