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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科44巻9号

1990年09月発行

文献概要

薬の臨床

疼痛症状を伴う更年期・閉経後不定愁訴に対するノイロトロピン®錠の有用性の検討—メサルモン®Fとの比較成績

著者: 苛原稔1 乾貞治1 青野敏博1 土井忠彦2 高橋久寿3 斎藤真平4 長谷部宏5 井川昭6 奈賀脩7 吉本忠弘8 三村経夫9 大野義雄10 高柳真11 秋山敏行12 平尾務13 中郷吉二郎14 岡山哲也15 乾泰延16 三木鈴17 吉田篤司18 黒岩俊一郎19

所属機関: 1徳島大学医学部産婦人科学教室 2阿南共栄病院 3麻植協同病院 4健康保険鳴門病院 5徳島県立海部病院 6徳島県立中央病院 7徳島県立三好病院 8徳島市民病院 9町立半田病院 10坂出回生病院 11香川県立津田病院 12NTT高松病院 13大川総合病院 14愛媛県立今治病院 15高知市民病院 16高知赤十字病院 17国立高知病院 18町立高北病院 19高知県農協総合病院

ページ範囲:P.827 - P.834

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 肩こり,腰痛,関節痛などの疼痛症状を伴う更年期・閉経後不定愁訴に対するノイロトロピン®錠の有用性を,メサルモン®Fを対照薬として検討した。封筒法によりノイロトロピン®錠(NT群,49例)あるいはメサルモンF®(MHF群,35例)を選択して2〜4週間投与し,その臨床効果を比較した。全般改善度では両群間に有意差は認められなかった(中等度改善以上,NT群,65.3%,MHF群62.9%)が,NT群で著明改善が多い傾向にあり,有用性についても両群間に有意差はないものの(有用以上,NT群65.3%,MHF群71.4%),NT群で極めて有用以上が多い傾向にあった。投与4週後の症状の推移では,MHF群は血管運動神経系症状において,NT群は疼痛症状を伴う運動器神経系症状において改善率が高い傾向にあり,特に腰痛はMHF群に比しNT群で有意(p<0.01)に改善していた。以上より,ノイロトロピン®錠は疼痛症状を伴う更年期・閉経後の不定愁訴に対して有用性の高い薬剤であると考えられる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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