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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科45巻1号

1991年01月発行

文献概要

今月の臨床 不育症—その対策のすべて 原疾患との関わり

1.不育症とは

著者: 富永敏朗1 竹内譲1 佐々木博正1

所属機関: 1福井医科大学産科婦人科学教室

ページ範囲:P.9 - P.11

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概念
 妊娠は成立するが流早死産を繰り返して生児がえられないものを不育症と呼ぶ。その大部分は習慣流産(連続3回以上の自然流産の繰り返しをいう)であり,したがって不育症を習慣流産と同義語としても用いられる。
 不育症は,その原因とみなされるものがきわめて多種多様であるのが特徴である。原因のなかには不妊症のそれと共通するものが含まれており,また受精から着床周辺期に至る過程の中絶が著しく高頻度に起こっているという最近の知見から考えて,不妊症と密接に関連があるものである。また不育症は臨床的に妊娠成立以降周産期に至るまでの広い範囲が対象となり,周産期医学の分野とも密接な関連がある。不育症のもう一つの特徴は,原因とみなされるものが不明なことがきわめて多いという点である。しかし最近の医学の進歩によって従来不明であった原因とみなされる異常の診断法が急速に進歩し,さらにこの異常に対する治療法の開発に著しい進展がみられるようになった。これは特に免疫的異常が原因と考えられるものについて顕著であり,今後不育症の原因の診断と治療の進歩に明るい展望をもたらしつつある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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