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今月の臨床 不育症—その対策のすべて 原疾患との関わり
5.HLAと不育症
著者: 古山将康1
所属機関: 1大阪大学医学部産科婦人科学教室
ページ範囲:P.23 - P.26
文献購入ページに移動HLA(ヒト主要組織適合抗原)
HLA(human leukocyte antigen)はヒトにおける主要組織適合抗原(major histocompatibility complex,MHC)として免疫反応を考える上で重要な細胞表面抗原であり,特に移植免疫においては非自己,自己を識別するための背番号ともいえる抗原系である。MHC抗原は種によっても強く保存され,ヒトではHLA抗原,マウスではH−2,ラットではRT−1と呼ばれ,背番号であるための遺伝的多様性を特徴とする。
HLAは同種異系(アロ)を識別するのみでなく,外来性抗原を認識する際に,その抗原とHLA抗原との複合体を形成して初めてT細胞上の受容体に認識されるという免疫反応一般にかかわる重要な役割を担っている(MHC拘束性)。HLA抗原は分子構造から2つのクラスに分類され(クラスⅠ,クラスⅡ),クラスⅠ抗原にはHLA-A,-B,-C,クラスⅡ抗原にはHLA-DR,-DQ,-DPが含まれる。両抗原ともα鎖とβ鎖のhetero-dimer構造をもち,クラスⅠのβ鎖(β2ミクログロブリン)を除いてすべて6番目の染色上の遺伝子にコードされ,これらの遺伝子は1CM(センチモルガン)にも及ぶ巨大遺伝子群を形成している。HLA-A,B-,-Cはα鎖に,HLA-DRはβ鎖に,HLA-DQはαβ両鎖に遺伝的多型を有しており,HLAのアロ特異性は1987年の国際ワークショップにおいてHLA-A抗原24種,B抗原52種,C抗原11種,DR抗原18種,DQ抗原9種,DP抗原6種が認定された。血清学的に同定された著者らの地域での特異性頻度を表1に示す。
HLA(human leukocyte antigen)はヒトにおける主要組織適合抗原(major histocompatibility complex,MHC)として免疫反応を考える上で重要な細胞表面抗原であり,特に移植免疫においては非自己,自己を識別するための背番号ともいえる抗原系である。MHC抗原は種によっても強く保存され,ヒトではHLA抗原,マウスではH−2,ラットではRT−1と呼ばれ,背番号であるための遺伝的多様性を特徴とする。
HLAは同種異系(アロ)を識別するのみでなく,外来性抗原を認識する際に,その抗原とHLA抗原との複合体を形成して初めてT細胞上の受容体に認識されるという免疫反応一般にかかわる重要な役割を担っている(MHC拘束性)。HLA抗原は分子構造から2つのクラスに分類され(クラスⅠ,クラスⅡ),クラスⅠ抗原にはHLA-A,-B,-C,クラスⅡ抗原にはHLA-DR,-DQ,-DPが含まれる。両抗原ともα鎖とβ鎖のhetero-dimer構造をもち,クラスⅠのβ鎖(β2ミクログロブリン)を除いてすべて6番目の染色上の遺伝子にコードされ,これらの遺伝子は1CM(センチモルガン)にも及ぶ巨大遺伝子群を形成している。HLA-A,B-,-Cはα鎖に,HLA-DRはβ鎖に,HLA-DQはαβ両鎖に遺伝的多型を有しており,HLAのアロ特異性は1987年の国際ワークショップにおいてHLA-A抗原24種,B抗原52種,C抗原11種,DR抗原18種,DQ抗原9種,DP抗原6種が認定された。血清学的に同定された著者らの地域での特異性頻度を表1に示す。
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