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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科45巻1号

1991年01月発行

今月の臨床 不育症—その対策のすべて

検査・診断の進め方

12.子宮鏡検査のメリット

著者: 林保良1 岩田嘉行1

所属機関: 1川崎市立川崎病院産婦人科

ページ範囲:P.42 - P.43

文献概要

 子宮鏡は子宮腔内を直接観察する方法である。受精卵は子宮内で着床し発育するので,この内腔を子宮鏡を用いて形態的異常の有無を検査することは生殖医学において重要である。
 子宮異常は不育症原因の約12〜15%を占めるといわれ,中でも特に子宮奇形,子宮筋腫,子宮腔癒着症,頸管無力症などがあげられている。子宮奇形のうち習慣流産の原因として最も多いのは中隔子宮である。近年この中隔子宮および子宮腔癒着症を子宮鏡直視下に切除治療1)することが可能となった。開腹手術にくらべ患者への侵襲ははるかに少なく,回復も早く,しかも成績も非常に良好であるところから欧米諸国ではほとんど開腹手術にかわって行われている。そのため,子宮鏡は従来の観察手段としての役割のみならず,治療手段としても重要な存在へ変貌しつつある。本稿では主として中隔子宮と子宮腔癒着症を診断し,手術に至るまでの子宮鏡検査の実際を解説し,その必要性を述べてみたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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