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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科45巻1号

1991年01月発行

文献概要

今月の臨床 不育症—その対策のすべて 治療の実際

24.頸管縫縮術

著者: 末原則幸1

所属機関: 1大阪府立母子保健総合医療センター

ページ範囲:P.78 - P.79

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 頸管縫縮術は妊娠中期流産や早産の原因の一つである頸管無力症の治療法である。すなわち,過去の妊娠において著明な腹痛,子宮収縮が認められないのに子宮口開大や破水に始まる中期流産や早産の既往のある妊婦や,非妊時に子宮卵管造影法により頸管の開大が認められた症例において,しかも明らかな子宮収縮が認められない場合に有効な治療法である。妊娠中期流産や習慣性の流早産の原因となる染色体異常や免疫学的異常,胎盤の硬塞などを伴う血液凝固異常など他に原因が求められる場合はそれぞれの治療法もあわせ行う必要がある。なお妊娠中期流産や早期の早産に産道や子宮内の感染が関与していることが多いことも忘れてはならない。
 多胎妊娠では早産率が高いことはよく知られている。子宮容積の増大に伴う子宮収縮がその主な原因ではあるが,このような多胎においては頸管縫縮術は妊娠期間の延長に対しある効果を期待することができる。ことに三胎以上の頻胎においては妊娠早期での予防的頸管縫縮術は有用である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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