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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科45巻1号

1991年01月発行

今月の臨床 不育症—その対策のすべて

治療の実際

25.ホルモン療法

著者: 相良祐輔1

所属機関: 1高知医科大学産科婦人科学教室

ページ範囲:P.80 - P.82

文献概要

 排卵,受精,着床,胎盤完成という一連の妊娠現象の過程において,生理学的内分泌学的ダイナミクスが下垂体—卵巣系から,絨毛—卵巣系,さらに胎児—胎盤系へと転換してゆくことは周知のところである。このダイナミクスの質的転換の過程で,種々のホルモンが妊娠維持機構に関与しているが,妊娠初期にはhCGとprogesteroneが中心的役割りを果たしていると考えられる。
 一方,不育症,特に妊娠初期の切迫流産,習慣性流産の原因は多岐にわたるが,内分泌学的原因としては,前述の着床,胎盤完成といった時期の内分泌学的ダイナミクスの質的転換が生理的に行われ難い時と考えられる。ホルモン測定法の制約から,実地臨床の場で,妊娠初期の絨毛障害あるいは妊娠黄体機能不全を臨床病態学として把握できず,明らかにホルモン分泌異常に起因する症例を対象として,今日なお,しぼりきれずに来たうらみがある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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