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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科45巻10号

1991年10月発行

今月の臨床 子宮筋腫—こんなときどうするか

診断手技—どこまでわかるか

8.子宮鏡

著者: 林保良1 岩田嘉行1

所属機関: 1川崎市立川崎病院産婦人科

ページ範囲:P.1152 - P.1153

文献概要

 子宮筋腫は発生部位によって粘膜下筋腫,筋層内筋腫および漿膜下筋腫の3種類に大別される。過多月経,不正性器出血,鉄欠乏性貧血などの症状が大きさに比較して強いのは粘膜下筋腫であり,また,不妊の原因にもなり得る。現在汎用されている超音波診断法では粘膜下筋腫と筋層内筋腫との鑑別診断はしばしば困難であり,正確な診断法は子宮鏡に頼らざるをえない1)。近年ある条件下の粘膜下筋腫は経頸管的に子宮鏡で切除することが可能となった2)。また過多月経や鉄欠乏性貧血があって挙児希望のない患者に子宮内膜を内視鏡下に全面的にまたは部分的に破壊し,月経量を極度に少なくすることも可能である2)。子宮鏡による手術は開腹による筋腫核出術や子宮全摘術に比し侵襲が少ない,術後の疼痛がほとんどない,回復も早く,手術の翌日から退院できるなどの利点がある。しかし,すべての粘膜下筋腫が子宮鏡的手術の対象になるわけではない。その手術適応の判断には子宮鏡検査が大きな役割を担っている。以下に子宮鏡検査のポイントについてふれてみたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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