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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科45巻10号

1991年10月発行

今月の臨床 子宮筋腫—こんなときどうするか

筋腫の病態

16.妊娠との関わり

著者: 友田昭二1 荻田幸雄1

所属機関: 1大阪市立大学医学部産科婦人科学教室

ページ範囲:P.1172 - P.1174

文献概要

 子宮筋腫は中高年婦人によくみられる良性腫瘍であるが,妊娠に合併する頻度は1960年代では0.5%前後といわれていた。しかし,近年初経の早期化に伴い筋腫発症が若年化し,一方では晩婚,そして高齢出産化に伴う妊婦年齢高齢化,さらには超音波診断の普及に伴い子宮筋腫の診断が的確に行われるようになったことも併せて,妊娠に子宮筋腫が合併する頻度が増加することになった。1970年から10年間では0.7〜1.3%となり(浮田,1983),当教室の最近2〜3年間でも1.7〜1.9%と増加してきている。
 子宮筋腫の妊娠・分娩・産褥に及ぼす影響ならびに妊娠の子宮筋腫に及ぼす影響を表1にまとめた。妊娠に合併した子宮筋腫を発見した場合,その治療法は積極的手術療法か保存的待機療法のいずれかを選択しなければならない。ところで,子宮筋腫はその部位により漿膜下筋腫,筋層内筋腫,粘膜下筋腫に分類され,それぞれの妊娠に対する影響,児の予後も異なっている。当科では原則として待機療法を行っているが,妊娠に合併した子宮筋腫の治療方針の再検討にあたり,筋腫発生部位による妊娠への影響につき検討を行ってみた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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