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雑誌目次

雑誌文献

臨床婦人科産科45巻11号

1991年11月発行

雑誌目次

今月の臨床 計画妊娠—合併疾患への対応 循環器疾患

1.心弁膜症

著者: 三澤卓夫 ,   関口守衛

ページ範囲:P.1234 - P.1236

 妊娠中は主に細胞外液としてナトリウムと水分の貯留がおこり,非妊娠時に比して最高6〜8l増加する。循環血漿量,心拍出量も増加し,妊娠30週頃に最高となり,30〜50%増加する。妊娠末期には,子宮が増大し下大静脈を圧迫するため,心拍出量が減少する。分娩時には子宮収縮により心拍出量が増加し,分娩後は,徐脈となり,心拍出量は70〜80%の増加が認められる1,2)。このような循環器系への負荷により弁膜疾患を有する患者では心不全を引き起こす危険性があり,妊娠前より薬物療法,手術療法が必要となることがあるが,機械弁による弁置換術では,術後血栓塞栓症のおこる可能性があり,厳重な抗凝固療法が必要なため原則的には妊娠,出産後に心臓手術を考慮することになる。各弁膜症によって病態や3)対処法が異なるので各論的に解説する。

2.弁置換術後

著者: 木全心一

ページ範囲:P.1238 - P.1239

妊娠の可能性のある心弁膜症症例に対する基本的考え方
 妊娠時には体内水分量が増加する。このことは心疾患のある患者にとっては,心不全となる直前ないし,なった時の状態と同じである。特に肺うっ血を生じやすい僧帽弁狭窄では,肺血管内圧が上昇し,呼吸困難を生じて来る。その上,妊娠終期になると体位により肺血管内圧が変動しやすい状況にある。たとえば,仰臥位だと胎児が下大静脈を抑え,下肢にうっ血状態を作っている。これが側臥位となった時に,圧迫がとれて一気に肺に血液が戻って来て,肺血管内圧を上昇し,肺うっ血を増強する。
 このように,僧帽弁狭窄,Eisenmenger化した先天性心疾患など,肺うっ血を生じやすい症例にとっては,妊娠が危険である。また不幸なことに,これらの疾患のある患者の中に妊娠の可能性のある女性も少なくない。この意味では,僧帽弁狭窄のように外科的対応が出来る患者に対しては,処置をしてから妊娠させたい。しかし,問題は人工弁置換すると,一般にはワーファリンを服用する。ワーファリンには催奇性があり,出血の危険もあり,ワーファリン服用下では妊娠をしないように指導するのが一般的である。

3.心奇形

著者: 村上雅義 ,   千葉喜英

ページ範囲:P.1240 - P.1241

 今日,心奇形(先天的心疾患)を有する多くの女性が,治療の対象となり,妊孕可能年齢に達してきている。ならば,治療を施した以上,妊娠・分娩のことまでも管理できる体制を整えることは医療サイドの当然の責務である。これが昭和57年1月に国立循環器病センター内に周産期治療科が設立された理由の一つであった。そこでわれわれが経験した症例をもとに,心奇形を有する女性の計画妊娠について述べる。

4.本態性高血圧

著者: 斎藤郁夫 ,   猿田享男

ページ範囲:P.1242 - P.1244

 高血圧は脳卒中や虚血性心臓病などの心血管系疾患の重要な発症因子であり,血圧が高いほどその危険が高まることが知られている。
 したがって高血圧の治療の目的は脳卒中や虚血性心臓病などの予防であり,降圧薬治療によりこれら心血管系合併症が予防されることが期待されるが,どの程度の高血圧をどのように治療すれば良いかを知るために欧米では多人数の高血圧患者を対象とし,降圧薬あるいはプラセボを投与し,心血管系合併症の発症率を比較する大規模研究が行われてきた。米国のHypertension Detection and Follow-up Program(HDFP)研究,英国のMedical Research Council(MRC)研究などにより降圧薬治療によりある程度脳卒中や虚血性心臓病などが予防されることが証明されている1)。これらの主として中高年の男性を対象とした研究成績から軽症高血圧の治療について米国のDetec—tion,Evaluation and Treatment of High Blood Pressureに関する合同委員会(JNC)2)は1988年に,WHOと国際高血圧学会(ISH)による委員会(WHO/ISH)3)は1989年に高血圧の治療指針を発表している。本稿ではこれらの指針を参考にして妊娠期待年齢の女性の本態性高血圧の治療,非薬物療法,薬物療法について概説する。

腎疾患

5.慢性腎炎

著者: 山本茂生 ,   上田尚彦 ,   折田義正

ページ範囲:P.1245 - P.1247

 腎炎患者では妊娠合併症,分娩異常,分娩後の進行性の腎機能低下をきたす頻度が高いことが諸家により報告されている(表1)。このため,ややもすると厳しい指導が行われることがあるが,妊娠前の腎機能・血圧・尿蛋白量の評価や腎生検組織像の検討により,正常な妊娠分娩が期待できる症例とリスクの高い症例を判別できるようになっている。このため,内科・産婦人科医は,個々の妊婦のリスクを正しく評価し,適切に対応する必要がある。
 近年,厚生省特定疾患進行性腎障害調査研究班により,慢性腎炎患者の妊娠分娩に関する指導指針が改訂された(表2)。この改訂案は,臨床症候群別に表示され一般臨床医にも使いやすいように作成されており,今後の適切な妊娠指導の参考となると考えられる。

6.透析患者

著者: 東間紘

ページ範囲:P.1248 - P.1250

 1960年代にはじまった慢性腎不全患者に対する透析療法の進歩,発展には目をみはるものがある。1990年末におけるわが国の透析患者数は10万人を越え,その生存率も1年83.3%,3年69.8%と高く,10年以上の透析患者数も1万3,700人を数えている。これら透析患者のQuality of Life(QOL)も向上し,社会復帰率(就業率)も上昇してきている。1971年,Confortiniらによる最初の報告1)以来,透析患者の妊娠および出産の報告が増えてきているが,これなどは透析患者の健康状態,社会復帰の状態を最もよく示すものの1つであろう。わが国においても1977年以降,少しづつ出産症例が増えており,世界一の透析大国として今後ますます多くの患者がこれらの Consulta—tionのため産科婦人科医の門を叩くことは必定である。
 したがって,ここでは透析患者の妊娠・出産の現況をお知らせし,その妊娠および出産に当たって注意すべきいくつかの点について簡単にふれておきたいと考える。

内分泌・代謝性疾患

7.甲状腺機能亢進症

著者: 望月眞人

ページ範囲:P.1252 - P.1255

 妊娠すると母体には巨大な内分泌機能と代謝をもつ胎盤と胎児が包含され,胎児は僅か280日間で3,000gにまで発育,成長する。妊娠そのものは生理的なものと理解されているが,児の発育に対する母体の内分泌,代謝の諸相はすさまじく変化をなし,それはまさにhigh risk physiologyといえる状態にある。つまり視点を変えれば,妊娠は母体に対する大きなdynamic testであり,もし母体が合併症を根底にもつ場合,負荷に耐えきれず,その妊娠はhigh risk pregnancyへとつながることになる。
 この際,重要な問題は合併症疾患の経過に妊娠がどのような影響を及ぼすかではなくて母児への影響をまず優先に考慮すべきである。

8.甲状腺機能低下症

著者: 光田信明 ,   谷澤修 ,   玉置治夫 ,   網野信行

ページ範囲:P.1256 - P.1258

 いずれの原因による甲状腺機能低下症であっても治療は甲状腺ホルモンの補充になる。しかし,妊娠中の母児管理においては非妊時に比べて病因別に考慮しなければならないことがある。さらに,妊娠前に甲状腺機能低下症の存在が認識されていない場合には妊娠そのものに重大な影響を与える。そこで,甲状腺機能低下症合併妊娠における計画妊娠を考える場合には,その背景にある病態を理解しておくことが大切である。

9.糖尿病

著者: 大森安恵

ページ範囲:P.1259 - P.1261

 全く疾患をもたない健常婦人でも,仕事や経済的理由から,計画的な妊娠を望む人がいる反面,糖尿病をもっていても計画妊娠の重要さを知らずに思いがけず妊娠をしてしまったという症例がいる。糖尿病における計画妊娠の意義は,1)奇形の予防,2)妊娠による糖尿病性細小血管障害,糖尿病性網膜症や腎症の悪化を予防することである。

10.重症筋無力症

著者: 雨森良彦

ページ範囲:P.1262 - P.1264

 重症筋無力症myasthenia gravis(MG)は自己免疫疾患で,抗AChR(acetylcholine receptor)抗体が罹患筋群の筋-神経接合部を破壊する。この結果神経刺激伝導が低下し骨格筋力が低下し疲労しやすくなる。
 妊娠は母体MGを増悪,特に産褥期に危機(crisis)をきたすこともある。妊娠中の薬物投与量については吸収-排泄の生理的変化が大きいためその時々に応じて再調整が必要である。MGは母体の死亡率,罹病率,流早死産,早産率を上昇させている。

感染症

11.HIV

著者: 相良祐輔 ,   久保隆彦

ページ範囲:P.1265 - P.1267

 HIVキャリア妊婦を管理する際の基本的知識
 1)AIDSは爆発的に拡大しており,しかもその患者の大部分は生殖年齢層で占められている。
 全世界のAIDS患者は100万,HIV感染者は800万人を越し,驚くべきことにニューヨークでは20歳台,30歳台の死因のトップはAIDSである。この事実から,AIDSは生殖年齢層に蔓延しており,今後われわれ産婦人科医がHIVキャリア妊婦を取り扱う機会が増加することが予想される。

12.風疹

著者: 福島穣

ページ範囲:P.1268 - P.1270

 胎児・新生児に影響を及ぼす妊婦の感染症としてはSTORCH(syphilis,toxoplasmosis,other viruses,rubella,cytomegalovirus,herpes virus hominis)として整理記憶されている諸疾患が重要である。とりわけ風疹は流行的に発生して社会問題となったことがあり,実地医家としては確固とした対応策を持ち,終始一貫したチェックを励行する必要がある。検査方式の最新知見については杉下(参考文献2)が簡潔にまとめているが,HI(赤血球凝集阻止反応)抗体価による判定は8倍という報告に接した場合,厚生省の指針でも不透明である。われわれの教室では「エンザイグノスト風疹」によるIgG抗体測定を中心に判定しており,目下臨床面では満足すべき成果を得ている。以下その具体策を略述したい。

13.肝炎

著者: 森山郁子 ,   一條元彦

ページ範囲:P.1271 - P.1273

 近年,世界的レベルで肝炎ウイルス分離に関する激しい競争が行われて来たが,アメリカで,1989年にDNAのクローニングによる非A非B型肝炎ウイルスに密接に関連する抗原・抗体系が発見された1)。かつて知られていたA型肝炎,B型肝炎,非A非B型肝炎はC型肝炎(HC),δウイルス感染はD型肝炎(HD),水系あるいは伝染性に感染するあらたなウイルス肝炎はE型肝炎(HE)と分類されるようになり,1989年にHA,HB,HC,HD,HEの概念が生まれた。

膠原病

14.SLE

著者: 八神喜昭 ,   青木耕治

ページ範囲:P.1274 - P.1276

SLEの概念と診断
 SLEは20〜30歳代の妊娠可能年齢層の女性に好発する全身性自己免疫疾患である。SLEの診断として現在では,表1に示したごとく,1982年に改訂されたアメリカリウマチ協会の診断基準に従って,11項目のうち4項目以上が同時に陽性,あるいは経時的に観察期間をおいても常に陽性の場合,SLEと診断されている。

15.大動脈炎

著者: 村島温子 ,   橋本博史

ページ範囲:P.1278 - P.1279

 大動脈炎症候群は,大動脈およびその分枝におきた特殊炎症とその瘢痕性収縮による血管内腔狭窄により生ずる諸症状を総括した呼称である。昭和57年より59年までの全国調査で確認された患者は2,606人であり,決して多くはないが,潜在的患者も相当数いると考えられ,若年女性に多発する点も含めると,この疾患の合併妊娠の管理に対する知識は重要である。
 ここでは,まず大動脈炎症候群が妊娠・分娩に及ぼす影響および妊娠,分娩が大動脈炎症候群に及ぼす影響について述べ,つぎに本稿の主題である計画妊娠,すなわちどのような患者に妊娠を許可し,妊娠,分娩,産褥の経過をどのように管理していくべきかについて述べる。

血液疾患

16.特発性血小板減少性紫斑病(ITP)

著者: 齋藤良治 ,   中村幸夫

ページ範囲:P.1280 - P.1282

 ITPとは,血小板減少をきたす原疾患や遺伝的要因が認められず,骨髄での血小板産生に障害がなく,末梢での血小板破壊が亢進しているものをいう。その発症機序は,血小板膜抗原に結合した自己抗体(IgG)が,そのFC receptorで網内系(マクロファージ)に取り込まれるためと考えられている。ITPの頻度自体はそれほど高くはないが,若年婦人に好発するため妊娠合併も多く,産科医が遭遇しやすい血液疾患のひとつである。

17.再生不良性貧血

著者: 溝口秀昭

ページ範囲:P.1284 - P.1285

 再生不良性貧血は汎血球減少症と低形成骨髄を特徴とする疾患である。管理のポイントは①貧血による胎児死亡や分娩時ショックに対する対策,②白血球減少による感染や敗血症の対策,③血小板減少による出血傾向の対策である。
 さらに,妊娠経過中に発症する例や分娩あるいは中絶によって改善する例のあることから,妊娠が本症の発症や増悪に関係している可能性がある。したがって,患者の状態によって妊娠の許可や継続の可否などが問題になる。

腫瘍

18.乳癌

著者: 小山博記

ページ範囲:P.1286 - P.1287

 乳癌の好発年齢は40〜50歳であり,妊娠の多い年齢とはずれているので,妊娠と乳癌が合併するのは実際はむしろ稀である。その頻度は,乳癌を母数とすれば0.4〜2.8%,またわが国での集計では0.8%であり,一方,妊娠回数を母数とすると0.9〜3.1/10,000であり,頻度がかなり低いことがわかる。
 しかし,実際に妊婦に乳癌が発見されたとき,妊娠および乳癌に対してどのような処置をとるべきかは臨床家を悩ませる重要な問題でもある。そこで,本稿では妊娠に絡む乳癌診療の問題点について概説する。

19.胞状奇胎

著者: 後藤節子

ページ範囲:P.1288 - P.1290

 発生頻度
 胞状奇胎の発生率は,日本を含む東南アジアで高いが,近年,胞状奇胎の登録管理が,米国,西欧でも拡充されるにつれて,これらの国の発生頻度も従来報告されている程には,低くないとされてきている。
 日本における胞状奇胎の発生頻度は,女子人口10万対10.2(1974)より7.9(1982)に減少しているが,分娩数1,000に対する比率は殆んど変化なく,近年2.92前後を保っている。年齢との関係は,文献的には妊孕年齢の終わりに近づくにつれ,特に40歳を越えると胞状奇胎の発生は増加し,4.02%,さらに45歳以上では50.76%と,39歳以下の頻度の10〜20倍以上にもなる。

20.子宮筋腫

著者: 高島英世

ページ範囲:P.1291 - P.1293

 子宮筋腫は35歳以上の婦人の20%に認められる1)といわれるほど頻度の高い疾患であるが,好発年齢が生殖可能年齢に重なるため,妊娠との合併が不可避となる。妊娠に合併した子宮筋腫の取り扱い方針については,分娩に至るまでできるだけ保存的に取り扱う待機方針と妊娠中に積極的に筋腫を核出する方針の二つがある。しかし現在の所,筋腫核出術を行っても保存的に待機しても,流産率には大した差はない1)との見解もあり,保存的待機主義が大勢を占めているようである。われわれも基本的に保存的管理方針をとっており,最近6年間の成績に検討を加え,若干の考察を行った。

21.境界悪性卵巣腫瘍

著者: 西村治夫

ページ範囲:P.1294 - P.1296

 卵巣には多種多様の腫瘍が発生するため卵巣腫瘍の年齢分布もさまざまで,妊孕性の温存を考慮すべき年代の発生も多く経験する。特に,予後の比較的良好な境界悪性腫瘍では,悪性腫瘍に比して性成熟年齢や若年者の頻度が高く,その治療にあたっては以後の妊娠,分娩を常に念頭に入れておかねばならない。

22.子宮頸癌—前癌病変も含めて

著者: 関谷宗英

ページ範囲:P.1298 - P.1299

 妊娠に合併した子宮頸癌(頸癌)は,広義に解釈すると妊娠中および産褥期に診断された頸癌であるが,今回われわれの経験した妊娠中に診断された頸癌(前癌病変を含めて)の診断と治療方針について,以下に述べる。

精神病

23.精神分裂病

著者: 工藤行夫

ページ範囲:P.1300 - P.1301

 女性にとって恋愛,結婚,妊娠,出産は愛の自然な流れである。精神分裂病(以下,分裂病と記す)の女性患者にとっても同じであるが,彼女達はそのいずれにも大きな障壁を抱えている。結婚に至る過程にもさまざまな困難はあるが,妊娠から出産,そして育児という新たな局面でも多くの問題が生じ,生活の破綻を招くことが少なくない。それらを円滑に成し遂げるには,周囲の慎重な指導・協力が不可欠である2)

24.てんかん

著者: 荻野満春

ページ範囲:P.1302 - P.1303

 てんかんは,遺伝的負荷に起因する真性てんかん1)と後天的要因による症候性てんかんとに大別される。とくに,後者の症候性てんかんは,高度文明社会で遭遇するさまざまな災害による脳障害2)あるいは出生時の低酸素性虚血性脳症3)に起因するものなどが含まれる。すなわち,後者のような場合には,われわれすべてがそのリスクを負っているものといえる。したがって,てんかんという疾患は,従来のような社会的側面からみた閉鎖領域の疾患としてではなく,より開かれた医療ならびに社会的見地から対応されなくてはならない。
 とりわけてんかん合併妊娠では,治療の主体が抗てんかん剤(anti-epileptic drugs:以下AED)によることから,罹患者である母体のみならず胎児・新生児においても極めて微妙な問題を含んでいる。そこで本稿では,妊娠時におけるAEDの薬物動態ならびに妊娠母体に及ぼす影響をふまえ,また当科で経験した症例成績を紹介しながらてんかん合併妊娠・分娩・産褥の基本的管理方針について述べたい。

既往歴

25.妊娠中毒症

著者: 佐藤和雄 ,   三宅良明

ページ範囲:P.1304 - P.1306

 妊娠中毒症の病態に関しては多数の研究報告があるが,その成因は未だ不明のためその発症を予知し,予防対策を講じることは困難であるとともに,純粋妊娠中毒症の大半が初産婦に多く,次回妊娠では全く正常妊娠分娩経過をとることが多いため,現段階では計画妊娠のみならず,これに対する適切な対応策があるわけではない。しかし近年,妊娠中毒症を初期子宮胎盤溢血に起因するprostaglandin(PG)代謝異常による血管感受性亢進状態とも考えられており,妊娠初期子宮胎盤血流波形,angiotensin-Ⅱ(A-Ⅱ)負荷試験などの早期発症予知法が試みられるとともに,その発症予防対策(低容量aspirin療法,Ca大量療法)が検討されつつある。また妊娠中毒症の反復例や妊娠毎に症状の増悪をみる場合にはむしろ潜在的に母体合併症をもつことが多いため,妊娠初期からの精査と厳重な母児管理が必要となる。

26.染色体異常分娩既往者

著者: 大浜紘三

ページ範囲:P.1308 - P.1309

 染色体異常児分娩の既往がある婦人が次回の妊娠を希望して来院した場合には,まず既往児にみられた染色体異常の種類を再確認し,次いで異常の発生原因(誘因)を考察して反復出生の危険率を推定し,最後に次回妊娠中に胎内診断をすべきか否かを検討する。なお胎内診断の実施については基本的には患者側の判断を優先する。

27.奇形児分娩

著者: 田中彰 ,   荒木勤

ページ範囲:P.1310 - P.1312

 妊娠,出産とは両親にとって人生の大きな喜びである。また,わが子が五体満足で健康に育ってほしいと思うのは一般的な親の気持ちである。しかし,奇形児を出産したことがある親は次回の妊娠に対して,わが子を得る期待と,再度,奇形児を出産するのではないかという不安の,相対する気持ちの板挾みとなっていることが多い。このような場合,その両親は妊娠の相談に外来を訪れることとなり,担当医はその対応に苦慮することとなる。奇形児分娩(染色体異常児を除く)を既往に持つ親に次回妊娠に対してどのように対応すべきか,個々の症例は成書に任せるとし,統計学的文献も加え検討してみる。

カラーグラフ 産婦人科領域におけるレーザー療法・5

良性病変に対するレーザー療法

著者: 蔵本博行 ,   脇田邦夫 ,   泉貴文 ,   増田恵一

ページ範囲:P.1230 - P.1231

 これまでに述べてきた子宮頸部の異形成や早期癌のみならず,各種の良性病変もまたレーザーのよい治療対象である.本法の優れている点は,局所麻酔のもと,外来で実施できることである.出血が少なく,治癒も早いのが特徴といえるであろう.我々が行っている治療対象は,前回述べた尖圭コンジローマのほか,以下の如くである.
 腟・外陰病変 ①バルトリン腺嚢腫,②スキーン腺嚢腫,③腟閉鎖,④外性子宮内膜症:腟壁や会陰切開部に発生したもの,⑤腟断端肉芽:子宮全摘後に発生したもの,⑥外陰腫瘤:脂肪腫など外陰に発生した有茎性腫瘤

Current Researach

ホームテレメトリー

著者: 原量宏

ページ範囲:P.1313 - P.1322

 妊娠分娩の管理法は時代とともに変遷し,現在では分娩監視装置による胎児心拍数と子宮収縮の連続的な評価が最も信頼性の高い方法として普及している。われわれの施設においては,理想的な周産期管理を目的として,開院以来コンピューターによる周産期管理システムを開発・導入し,分娩中の妊婦のみならず,合併症の管理目的で入院中の妊婦に関しても24時間の監視体制を実現している。同様のシステムは妊婦外来においても稼働しており,ハイリスク妊婦はもちろん,すべての妊婦のスクリーニングに役立っている1〜3)。このように病院内において密度の高い管理が実現してみると,同システムの機能を通信回線を用いて外部に拡張することにより,院外の妊婦に関しても院内と同様の管理を実現しようとする構想にいたる。胎児心拍数と子宮収縮に関する情報を,電話回線を用いて家庭から病院へ送ろうとする試み,いわゆるホームテレメトリーに関しては,以前よりいくつかの報告がなされているが,技術的な問題から実用化には至らなかった4〜8)。分娩監視装置の小型化,コンピューターによる周産期管理システムの開発,および通信ネットワークの普及など,関連技術すべての発達により,ようやく臨床で利用可能なホームテレメトリーシステムが実現可能となった。ホームテレメトリーを実際に運用してみると,合併症妊婦に関してのみならず,遠隔地に在住の妊婦や通院が困難な妊婦にとって,予想した以上に利用価値が高い。ホームテレメトリーに必要な技術的基盤のかなりの部分は,従来から開発してきた周産期管理システムと共通する。本稿では香川医大における周産期管理システムの概要を含め,ホームテレメトリー開発における技術上の問題点,および今後の展望に関して解説する9,10)

Current Clinic

帝王切開率を下げることは可能か?—胎児モニタリングによるアプローチ

著者: 武久徹

ページ範囲:P.1323 - P.1330

 超音波診断および胎児心拍数モニタリングの普及によって出生前胎児診断が飛躍的に進歩している。反面,米国で帝王切開率の急上昇にかかわらず周産期死亡率が,あまり減少していないのも事実である。母児の安全を考えた場合,帝切率ゼロは全く不可能なことであるが,帝切の遅れによる母児の障害や帝切の濫用による母体のマイナス面,金銭的マイナス面も重要な問題である。日本の帝切の適応を考えた場合,母児の安全確保が必須条件であるが,帝切率を下げるために,日本では,CPD(難産(dystocia)を含め),分娩誘発不成功,fetal distressの三つの適応による帝切が,大きな比率を占めており,更に検討することにより帝切率を下げることは可能と考える。今回fetal distressによる帝切率を下げられるか否かについて検討した。

原著

妊娠合併悪性卵巣腫瘍の臨床的検討

著者: 廣田穰 ,   澤田富夫 ,   隅山充樹 ,   青木豊和 ,   服部公博 ,   吉田麻里子 ,   吉村俊和 ,   神谷貴之 ,   樋口泰彦 ,   河上征治

ページ範囲:P.1331 - P.1335

 当教室での最近5年間の妊娠合併悪性卵巣腫瘍例に検討を加え,以下の知見を得た。その発現頻度は,総分娩比で4/3,219(1/800)であった。また妊娠時(13.0%)と非妊娠時(14.6%)における悪性卵巣腫瘍の発現頻度はほぼ同率で,本疾患は諸家の報告ほどは稀な疾患ではないことが類推された。腫瘍sizeに関しては,最大腫瘍断面積(以下MAT)で評価したが,non-neoplastic tumor(ルテイン嚢胞)のほとんどがMAT≦2,000mm2であるのに対し,悪性例では全例がMAT≧3,000mm2を示しており,MAT≧3,000mm2のものは,積極的にneoplastic tumorを疑う必要のあることが示唆された。妊娠合併悪性卵巣腫瘍の腫瘍マーカー動態をルテイン嚢胞を対照とし比較検討したが,腫瘍マーカーの一部はpregnant statusによる修飾を受けるため,その判定に際しては,非妊娠時以上の細心の注意が必要と思われた。

症例

出生前に膀胱機能異常が推定された脊髄髄膜瘤の1例

著者: 福田久信 ,   増崎英明 ,   山辺徹

ページ範囲:P.1336 - P.1339

 最近,超音波断層法の進歩により,胎児の形態診断のみならず機能診断もなされるようになった。1973年,Campbellらは経時的に膀胱容量を計測することにより胎児の尿産生量を測定する方法を報告した。その後,胎児の腎機能を知る目的で時間尿量を測定した報告が散見される。しかし胎児膀胱機能に関する検討は少ない。膀胱機能は大きく蓄尿機能と排尿機能に分けられ,これが一定のサイクルで繰り返されている。私どもは,排尿前膀胱容量(蓄尿機能),排尿後膀胱容量(排尿機能)を検討することにより,出生前に膀胱機能異常の存在が推定された脊髄髄膜瘤の1例を経験したので報告する。

基本情報

臨床婦人科産科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1294

印刷版ISSN 0386-9865

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75巻4号(2021年4月発行)

増刊号 産婦人科患者説明ガイド―納得・満足を引き出すために

75巻3号(2021年4月発行)

今月の臨床 女性のライフステージごとのホルモン療法―この1冊ですべてを網羅する

75巻2号(2021年3月発行)

今月の臨床 妊娠・分娩時の薬物治療―最新の使い方は? 留意点は?

75巻1号(2021年1月発行)

合併増大号 今月の臨床 生殖医療の基礎知識アップデート―患者説明に役立つ最新エビデンス・最新データ

74巻12号(2020年12月発行)

今月の臨床 着床環境の改善はどこまで可能か?―エキスパートに聞く最新研究と具体的対処法

74巻11号(2020年11月発行)

今月の臨床 論文作成の戦略―アクセプトを勝ちとるために

74巻10号(2020年10月発行)

今月の臨床 胎盤・臍帯・羊水異常の徹底理解―病態から診断・治療まで

74巻9号(2020年9月発行)

今月の臨床 産婦人科医に最低限必要な正期産新生児管理の最新知識(Ⅱ)―母体合併症の影響は? 新生児スクリーニングはどうする?

74巻8号(2020年8月発行)

今月の臨床 産婦人科医に最低限必要な正期産新生児管理の最新知識(Ⅰ)―どんなときに小児科の応援を呼ぶ?

74巻7号(2020年7月発行)

今月の臨床 若年女性診療の「こんなとき」どうする?―多彩でデリケートな健康課題への処方箋

74巻6号(2020年6月発行)

今月の臨床 外来でみる子宮内膜症診療―患者特性に応じた管理・投薬のコツ

74巻5号(2020年5月発行)

今月の臨床 エコチル調査から見えてきた周産期の新たなリスク要因

74巻4号(2020年4月発行)

増刊号 産婦人科処方のすべて2020―症例に応じた実践マニュアル

74巻3号(2020年4月発行)

今月の臨床 徹底解説! 卵巣がんの最新治療―複雑化する治療を整理する

74巻2号(2020年3月発行)

今月の臨床 はじめての情報検索―知りたいことの探し方・最新データの活かし方

74巻1号(2020年1月発行)

合併増大号 今月の臨床 周産期超音波検査バイブル―エキスパートに学ぶ技術と知識のエッセンス

73巻12号(2019年12月発行)

今月の臨床 産婦人科領域で話題の新技術―時代の潮流に乗り遅れないための羅針盤

73巻11号(2019年11月発行)

今月の臨床 基本手術手技の習得・指導ガイダンス―専攻医修了要件をどのように満たすか?〈特別付録web動画〉

73巻10号(2019年10月発行)

今月の臨床 進化する子宮筋腫診療―診断から最新治療・合併症まで

73巻9号(2019年9月発行)

今月の臨床 産科危機的出血のベストマネジメント―知っておくべき最新の対応策

73巻8号(2019年8月発行)

今月の臨床 産婦人科で漢方を使いこなす!―漢方診療の新しい潮流をふまえて

73巻7号(2019年7月発行)

今月の臨床 卵巣刺激・排卵誘発のすべて―どんな症例に,どのように行うのか

73巻6号(2019年6月発行)

今月の臨床 多胎管理のここがポイント―TTTSとその周辺

73巻5号(2019年5月発行)

今月の臨床 妊婦の腫瘍性疾患の管理―見つけたらどう対応するか

73巻4号(2019年4月発行)

増刊号 産婦人科救急・当直対応マニュアル

73巻3号(2019年4月発行)

今月の臨床 いまさら聞けない 体外受精法と胚培養の基礎知識

73巻2号(2019年3月発行)

今月の臨床 NIPT新時代の幕開け―検査の実際と将来展望

73巻1号(2019年1月発行)

合併増大号 今月の臨床 エキスパートに学ぶ 女性骨盤底疾患のすべて

72巻12号(2018年12月発行)

今月の臨床 女性のアンチエイジング─老化のメカニズムから予防・対処法まで

72巻11号(2018年11月発行)

今月の臨床 男性不妊アップデート─ARTをする前に知っておきたい基礎知識

72巻10号(2018年10月発行)

今月の臨床 糖代謝異常合併妊娠のベストマネジメント─成因から管理法,母児の予後まで

72巻9号(2018年9月発行)

今月の臨床 症例検討会で突っ込まれないための“実践的”婦人科画像の読み方

72巻8号(2018年8月発行)

今月の臨床 スペシャリストに聞く 産婦人科でのアレルギー対応法

72巻7号(2018年7月発行)

今月の臨床 完全マスター! 妊娠高血圧症候群─PIHからHDPへ

72巻6号(2018年6月発行)

今月の臨床 がん免疫療法の新展開─「知らない」ではすまない今のトレンド

72巻5号(2018年5月発行)

今月の臨床 精子・卵子保存法の現在─「産む」選択肢をあきらめないために

72巻4号(2018年4月発行)

増刊号 産婦人科外来パーフェクトガイド─いまのトレンドを逃さずチェック!

72巻3号(2018年4月発行)

今月の臨床 ここが知りたい! 早産の予知・予防の最前線

72巻2号(2018年3月発行)

今月の臨床 ホルモン補充療法ベストプラクティス─いつから始める? いつまで続ける? 何に注意する?

72巻1号(2018年1月発行)

合併増大号 今月の臨床 産婦人科感染症の診断・管理─その秘訣とピットフォール

71巻12号(2017年12月発行)

今月の臨床 あなたと患者を守る! 産婦人科診療に必要な法律・訴訟の知識

71巻11号(2017年11月発行)

今月の臨床 遺伝子診療の最前線─着床前,胎児から婦人科がんまで

71巻10号(2017年10月発行)

今月の臨床 最新! 婦人科がん薬物療法─化学療法薬から分子標的薬・免疫療法薬まで

71巻9号(2017年9月発行)

今月の臨床 着床不全・流産をいかに防ぐか─PGS時代の不妊・不育症診療ストラテジー

71巻8号(2017年8月発行)

今月の臨床 「産婦人科診療ガイドライン─産科編 2017」の新規項目と改正点

71巻7号(2017年7月発行)

今月の臨床 若年女性のスポーツ障害へのトータルヘルスケア─こんなときどうする?

71巻6号(2017年6月発行)

今月の臨床 周産期メンタルヘルスケアの最前線─ハイリスク妊産婦管理加算を見据えた対応をめざして

71巻5号(2017年5月発行)

今月の臨床 万能幹細胞・幹細胞とゲノム編集─再生医療の進歩が医療を変える

71巻4号(2017年4月発行)

増刊号 産婦人科画像診断トレーニング─この所見をどう読むか?

71巻3号(2017年4月発行)

今月の臨床 婦人科がん低侵襲治療の現状と展望〈特別付録web動画〉

71巻2号(2017年3月発行)

今月の臨床 産科麻酔パーフェクトガイド

71巻1号(2017年1月発行)

合併増大号 今月の臨床 性ステロイドホルモン研究の最前線と臨床応用

69巻12号(2015年12月発行)

今月の臨床 婦人科がん診療を支えるトータルマネジメント─各領域のエキスパートに聞く

69巻11号(2015年11月発行)

今月の臨床 婦人科腹腔鏡手術の進歩と“落とし穴”

69巻10号(2015年10月発行)

今月の臨床 婦人科疾患の妊娠・産褥期マネジメント

69巻9号(2015年9月発行)

今月の臨床 がん妊孕性温存治療の適応と注意点─腫瘍学と生殖医学の接点

69巻8号(2015年8月発行)

今月の臨床 体外受精治療の行方─問題点と将来展望

69巻7号(2015年7月発行)

今月の臨床 専攻医必読─基礎から学ぶ周産期超音波診断のポイント

69巻6号(2015年6月発行)

今月の臨床 産婦人科医必読─乳がん予防と検診Up to date

69巻5号(2015年5月発行)

今月の臨床 月経異常・不妊症の診断力を磨く

69巻4号(2015年4月発行)

増刊号 妊婦健診のすべて─週数別・大事なことを見逃さないためのチェックポイント

69巻3号(2015年4月発行)

今月の臨床 早産の予知・予防の新たな展開

69巻2号(2015年3月発行)

今月の臨床 総合診療における産婦人科医の役割─あらゆるライフステージにある女性へのヘルスケア

69巻1号(2015年1月発行)

今月の臨床 ゲノム時代の婦人科がん診療を展望する─がんの個性に応じたpersonalizationへの道

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