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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科45巻12号

1991年12月発行

特集 エコー 診療マニュアル

婦人科

13.卵巣癌—充実性

著者: 落合和徳1 渡辺明彦1

所属機関: 1慈恵医科大学産婦人科

ページ範囲:P.1388 - P.1389

文献概要

症例 S.I.16歳(図1)
 1ヵ月前より腹部膨満感,嘔気があり,近医受診,腹部腫瘤を認め精査のため来院した。既往歴はなし。臍上に達する腫瘤を触知し,腫瘍マーカーはAFP 16000 ng/ml,CA 125 2200 U/ml,CAM PAS(+)であった。
 超音波像:充実部を主体とした腫瘤で内部に出血,壊死を思わせるecho freeな部分,あるいは嚢胞部分の混在する像を認める。充実部分は不均一であり,それぞれの境界も不整である。付属器領域にこのような腫瘤を認めた場合,卵巣癌を疑わなければならないが,その原発臓器をめぐり鑑別すべき疾患は多数あり,年齢,病歴,身体所見,腫瘍マーカー値,他の画像診断を含め総合的に診断する必要がある。手術診断は右側卵巣に発生したYolk sac tumor,stage IIcで右側付属器摘出術と左卵巣楔状切除,大網部分切除を行い,術後PVB療法を施行した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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